Q

会社/個人の業務経歴を教えてください。

A

鈴木個人の経歴(1983年-2018年)

   NEC 宇宙開発事業部(現:宇宙システム事業&NECスペーステクノロジーズ)

     地球観測衛星搭載用 光学センサ システム設計/電気設計/衛星I/F等

     地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」 海色海温走査放射計(OCTS) センサーリード回路設計等

     科学衛星用 恒星センサ(STT) システム設計/CCDリード回路等

     NADSA(現:JAXA)認定部品 100KG/A開発 TEG設計/ツール設計/試験装置設計

     陸域観測技術衛星(だいち)用半導体レコーダー(ISSR) メモリモジュール設計等

     科学衛星用HKデータレコーダ(HKDR) システム設計等

     民生部品・コンポーネント実証衛星「つばさ」 搭載用 SSR&HKDR システム設計

     部品技術 はやぶさ2部品プログラム作成&半導体製品の仕様書作成/メーカ選定等

     SCM(宇宙部材)

   株式会社ispace 2018年11月-2023年9月

     S&PA / SCM

     シニアセールスエンジニア ペイロード顧客、パートナー顧客の獲得のための技術支援

     インダストリクリエイションオフィサー CEO室で事業計画立案など

   2023年 8月 スペースNSプラン株式会社設立 宇宙事業進出企業支援活動

   2023年 10月 株式会社たすく プログラムマネジャー

Q

設計は、どのような支援することができますか?

A

支援内容は、下記のような内容が代表例となります。

 

  • ミッション/ペイロード要求解析→ミッション要求書作成
  • 開発仕様書作成/設計仕様書作成
  • 宇宙機の運用計画→モード遷移図作成
  • 衛星/着陸船等のI/F解析とI/F仕様作成
  • 部品選定作業
  • COTS部品使用におけるクリティカルアイテムリストCIL作成(評価アイテムの決定)
  • EEE部品購入先選定
  • 開発計画立案(製造/検査/試験計画など)
  • 設計/製造依頼先への仕様調整等
  • COTS部品の放射線評価計画
  • 放射線評価用照射ボードと評価装置設計
  • 放射線照射施設利用における事前準備/照射試験支援
  • 放射線照射試験の結果解析と対応策検討 等

 

その他、ご依頼要求事項を頂けましたら、解決策を含めてご相談させて頂きます。

Q

人材の捜索を支援頂くことは可能ですか?

A

はい、可能です。これまでも必要な人材の調査をして、多くのケースで紹介をしてきました。

現在も、相談を受けており、必要とされる人材の捜索をしております。宇宙開発に関わっている人材は、

多くの企業でも探しています。しかし、現設計者等が、求めているポストとマッチングがうまくいっているとは限りません。そのアンマッチングなところを埋めていくことで、よりよい人材探しにつなげています。

Q

宇宙事業を開始する上で、まず、やるべき課題は何ですか?

A

多くのプロジェクトに関わってきた経験から、プロジェクトの立ち上がりにおいて、最初にやるべきことは、体制つくりです。電気、構造、熱、電源、通信などの役割分担の体制ツリーを作成して、対応する人材を配置することが大事です。この体制つくりができれば、プロジェクトの成功も見えてきます。体制ができれば、70%プロジェクトが、完遂すると言ってよいと思います。それくらい大事だということになります。

Q

宇宙用機器を開発する上で、民生機器を流用することを考えたいのですが、何を考慮するか教えてください。

A

宇宙環境においても、機能・性能のパフォーマンスをだせるかということです。宇宙と地上の環境の違いは、主に温度、真空、放射線になります。違いが整理できたら、評価計画を立案します。温度は、温度試験を実施、真空は、真空さらし試験、そして、放射線は放射線試験を実施します。そして、それらの宇宙環境においても、地上におけるパフォーマンスと比べて、遜色がないとなれば、そのまま流用できます。機能・性能上の劣化が確認されれば、対策を講じることになります。ただし、システム的には、信頼性設計の実施について検討が必要です。あと1つ、樹脂系の素材が使われていれば、アウトガスの評価も必要です。

Q

宇宙機関では、一般品の適用は許容されていないようです。一方、ニュースペース、あるいは、教育機関の宇宙機では、COTSを採用しているケースが多いと聞いています。どちらを選択するのが正しいでしょうか?

A

宇宙機関(NASA、ESA、JAXA)のルールでは、一般品は許容されていません。一般品は、地上の製品用途ですから、何かあれば交換が可能です。しかし、宇宙機は、宇宙空間に行ってしまえば、修理ができないので、高信頼性が求められます。宇宙用高信頼性部は、部品のスクリーニングがされている(バーイン評価が十分されている)こと、製造管理がされていて、メーカが自由に製造条件を変更できないこと、放射線耐性があるプロセスで製造されるなどの理由があります。しかし、高価であり、リードタイムが長いという欠点があります。どちらを使うのがよいかは、費用面と労力のトレードオフが必要です。たとえば、非常に多くの部品を使うようなケースでは、COTSを評価して放射線耐性が使用条件にあうものを探すのがコスト面で有利です。このような部品をラドトレーラント品といいます。一方、コンポーネントで数個しか搭載しないのであれば、宇宙用部品、あるいは、メーカが提供するラドトレーラント品が有利です。

Q

一般部品以外にどのようなグレードがありますか?

A

EEE部品は、概ね以下のカテゴリに分類されます。そのカテゴリの動作温度の定義も含め以下に示します。

名称      (動作)温度範囲

一般部品    0℃~70℃ (車載用部品Grade4)

工業用部品   -40℃~85℃

車載用部品   -40℃~85℃(Grade3)注)

           ~105℃(Grade2)

           ~125℃(Grade1)

           ~150℃(Grade0)

軍事用部品   -55℃~125℃

宇宙用部品   -55℃~125℃

 

宇宙用部品では、スクリーニングが十分されていますが、一般部品、工業用部品は、かならずしも十分なスクリーニングがされていない可能性があります。そのような部品を宇宙用として採用するには、アップスクリーニングをして使用する方法があります。車載用部品は、部品供給側とユーザー側で取り交わした仕様なので、購入することができないです。しかし、最近では、車載用電子部品の信頼性(AEC規格)に準じた製品をメーカ側から提供するケースが出てきました。まだ、十分な品ぞろえでないですが、こちらから選んでいくというのがよいかもしれません。いずれにしろ、採用する部品の素性をよく理解をして、採用に適しているかの判断が必要です。また、そのような情報がえられる商流というのも重要だといえます。スペースNSプランでは、サプライチェーンマネージメントSCMを国内外で経験をしてきておりますので、要求に応じた対応、あるいは、対応提案をさせて頂きます。

Q

COTS部品を利用している海外事例はないですか?

A
宇宙産業界以外で利用されている部品には高機能、高密度、小型軽量、低消費電力などの様々な市場要求に応えた結果、最新技術の適用されている部品が数多く供給されています。しかしながら、 国内の宇宙用部品についてはマーケットが小さい上、環境、品質、信頼性要求が非常に厳しいため、その供給を維持することが難しいようです。他方、米国製宇宙用部品については、ITAR 規制の強化や最新高機能化による入手困難、入手可能であっても年単位の長納期化や部品枯渇、不具合(多発)等の問題 に直面しています。
そのため、海外においても宇宙産業界以外で利用されているCOTS 部品、商用部品(COMMERCIAL COMPONENT)の宇宙転用/適用化が検討・推進されています。一例として、欧州ではフランスのCNES が 2010 年 1 月に商用部品の宇宙転用/適用要求( RNC-CNES-Q-ST-60-100 ) を最新化しています。更 に、これをベースに欧州としての標準 ECSS-Q-ST-60-13が2013 年10月に制定されています。
Q

放射線評価は、経験がないのですが、支援をしていただけるのでしょうか?

A
宇宙航空研究開発機構(JAXA)から認定を受け、JAXA研究員を中心に創業されたパーパス経営型ベンチャーとして活動されている株式会社SEESE様をご紹介させて頂きます。(https://corp.seese.jp/)
SEESE様は、我が国がグローバルポジションを確保できるポテンシャルを持つ宇宙産業の開発を通し地上産業の成長性を再び取り戻すことを目指した、国籍、経歴を問わない、多種多様なメンバーにより構成されています。
放射線勉強会も隔月で実施しているので、参加されてはいかがでしょうか?
放射線試験を実施する場合は、スペースNSプランが、試験装置、試験計画の支援させて頂きます。施設紹介などは、SEESE
様の支援が受けられます。
Q

デバイスが、被ばくするとどのようなことがおきるのでしょうか?

A

放射線には、大きくわけて、トータルドーズ効果TID、シングルイベント効果SEE、そしてディスプレイスメントダメージDDDの3つがあります。 TIDは、ノイズ(白色雑音)が増えてきて、デバイスの機能・性能に影響を与えて、最終的には、機能不良を起こします。SEEは、シングルイベントアップセットSEU、シングルイベントトランジェントSET、シングルイベントラッチアップSEL、シングルイベントファンクションインターラプトSEFIなどの現象があらわれます。とくに、やっかいなので、SELになりますが、大電流がながれると焼け切れてしまい恒久故障にいたります。ディスプレイスメントダメージは、SEGR、SEBという恒久故障になります。これら恒久故障は、打ち上げ前に評価をして、場合により対策が必要です。各現象の詳細の説明は、割愛させて頂きましたが、スペースNSプランでは、使用候補の部品リストを共有頂きましたら、放射線リスクの分類分け、放射線計画立案、照射試験の立ち合い迄、一括して支援をさせて頂きます。必要がありましたら、代替え部品のご相談も対応させて頂きます。